九条の大罪の弁護士がおすすめの「モモ/ミヒャエル・エンデ」は仕事に疲れた大人に効く一冊。

読んだきっかけ

モモをはじめて読みました。児童文学の名作として名前だけは聞いたことがあったのですが、いままで読んだことはなく、漫画「九条の大罪」の主人公、弁護士の九条間人がいつか娘の誕生日に贈りたい本として紹介をしていて、興味を持ち読み始めました。

九条の大罪 5巻より引用

児童文学といっても読み応えがあり、読み通すのには半日ほどかかりました。モモという少女が様々な人々と交流し、”時間とは何か”という真理にせまるストーリーです。

物語の中に灰色の男たちという悪の集団が描かれており、彼らは一般の人々に時間を節約し、効率化し、時間を貯金することを勧めます。これまで自分の仕事を愛し丁寧に仕事をしていた人や、こどもとゆっくり遊ぶ時間を取っていた人、身体の悪い母親の世話をしていた人は時間効率化の観点から、全てを変えてしまいます。変えることによって大切なものを失ってしまうことも知らずに・・・。

瞬間、瞬間を大切に・・・

読んでいて灰色の男は正に自分のことのように感じずにはいられませんでした。時間は誰しも等しく与えられるものです。ただ時間をどう使うかは人によって異なり、それこそがまさにその人の価値観なのでしょう。
沈む夕日をぼうっと1時間眺めることを時間の無駄と感じるか、幸せと感じるか。モモはそんなことを考えさせてくれる作品です。

現代社会はせかせかと、無駄を省こうとしています。自分もふとすると灰色の男たちの考えに飲み込まれてしまいそうになります。
仕事に疲れている方、ぜひ手にとってみてください。大切なことを思い出させてくれます。

おすすめ度:★★★★★
読みやすさ:★★★★

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