ヤマハExtrackレビュー|AIで音源分離とコード解析ができる無料アプリの使い方

ヤマハのExtrack(エクストラック)は、手持ちの曲をAIでパートごとに分解できるスマホアプリ。ボーカル・ギター・ピアノ・ベース・ドラムなどに分けて、それぞれの音量を自由に調整できます。しかもコード進行まで自動で解析してくれます。

「ベースの音だけ聞き取れない」「このパートだけ取り出して練習したい」「逆にこのパートを消して一緒に演奏したい」という耳コピや練習の悩みに、まとめて答えてくれるアプリです。基本機能は無料。実際に自分の曲を読み込んで、どこまで分離できるのか、コード解析はどれくらい使えるのかを試しました。

Extrackとは|AIで音源分離とコード解析ができるヤマハのアプリ

Extrackとは

ExtrackはヤマハがiOS・Android向けにリリースしている音楽アプリです。できることは大きく3つ。

  1. 音源分離:読み込んだ曲をボーカル/ギター/ピアノ/ベース/ドラム/管楽器などのパートごとに分け、それぞれの音量を調整できる
  2. コード解析:再生に合わせてコード進行をリアルタイム表示。ギターのダイアグラム、ピアノの鍵盤、五線譜と表示方法を選べる
  3. 練習用の機能:テンポ・再生速度の変更、キーの変更、部分リピート

拍を自動で把握してくれるので、小節単位のリピートがボタンひとつで設定できます。ここは驚きました。

料金|基本無料、有料プランは月額900円

料金
  • 無料プラン:使用制限なく利用可能。分離できるパートはドラム・ベース・ボーカル・その他の伴奏の4つ。分離とライブラリ保存は月5曲まで
  • 有料プラン:月額900円 または 年額7,000円。曲数無制限になり、ギター・ピアノ・ブラスの分離が追加
  • 7日間の無料体験あり

価格は変わる可能性があるので、最新の情報は公式ページで確認してください。

注意点|ストリーミングの曲は読み込めない

権利上の制約で、Apple Musicなどストリーミングサービスの曲は解析できません。購入した音源や、手持ちの音源ファイルをiPhoneに保存して読み込む形になります。

逆に言えば、ストリーミングやYouTubeのリンクを解析できるアプリは権利的にグレーなものが多いのが実情です。その点でExtrackは安心して使えるアプリと言えます。

使ってみた|自分の曲を6パートに分離

使ってみた

今回は自作曲「変わらないこと、変わること」を読み込みました。分離した音源を流す都合上、著作権にデリケートな部分があるためオリジナル曲を使っています。

操作の流れ

  1. 「ソング」タブで曲を読み込む(iPhoneのファイルアプリから選択)
  2. 分離したい楽器をオンにする
  3. ボタンを押すと分離がスタート
  4. 「プレイ」タブで結果を確認する

分離にかかった時間は、パートを多めにして3分ほど。曲の長さと分離するパート数で変わります。チュートリアルが画面ごとに出てきて、これが非常に分かりやすくできています。

分離の精度

ドラムだけ、ベースだけ、と切り替えて聴いてみると、かなり良好でした。歌だけを取り出すと多少アーティファクト(ガビガビした感じ)はありますが、どの分離アプリでも出る範囲で、実用上は全く問題ありません。

面白いのは、オンオフだけでなくパートごとに音量差をつけられること。ギターを小さくして残す、といった使い方ができます。

演奏する人のことを考えた機能

  • キーの変更:男性キー・女性キーへの移調が簡単
  • メトロノーム:テンポを自動で把握するので鳴らすだけで練習になる
  • 再生速度の変更:0.8倍でフレーズをさらって、徐々に元の速さに戻す練習ができる

このあたりは、さすがヤマハだと感じる部分です。

コード機能|ダイアグラム・鍵盤・五線譜で表示

コード機能

画面右上からコード機能を出すと、曲を自動解析してコードを表示してくれます。表示方法はギターのコードダイアグラム/鍵盤の押さえ方/五線譜から選べます。ギター向けにカポの位置を指定することもできて、キーがE♭の曲を1カポで弾く、といった使い方ができます。

解析の精度は「叩き台」として優秀

正直なところ、完璧ではありません。自分の曲で確かめた範囲では、次のような傾向でした。

  • シンプルなコードは問題なく拾える
  • ディミニッシュなど、間に入る細かいコードは拾えないことがある
  • 4和音やテンションコード、オンコードは苦手

これは現状の技術の限界だと思います。実際の曲では、ベースがルートを弾いて上の楽器がテンションを押さえる、ギターはルートレスで弾く、といったことがよくあります。コードを完璧に把握するのは、そもそも難しい作業です。

まとめ

とはいえ、普通に弾いて楽しむ程度の大枠を把握するには十分使えます。耳コピでしんどいのは最初のとっかかりの部分。キーと大まかな進行が見えるだけでぐっと楽になります。編集機能も付いているので、細かい進行は自分で入れていく前提の設計なのだと思います。

まとめ:耳コピを始めたい人・ひとり練習に飽きた人におすすめ

Extrackは、次のような方に特におすすめです。

  • 耳コピをやってみたいが、どこから手をつけていいか分からない方:読み込むだけでキーと押さえ方まで出てくるので、ギターを始めたばかりでも迷いません
  • ひとりの練習に飽きている方:ギターのパートだけ消して自分で弾く、ベースを消して自分で入れる、といったセッションのような練習ができます
  • 歌を練習している方:ボーカルだけ取り出して、どう歌っているか・どこで止めているかを研究できます。私もよくやる練習方法です
  • キーを変えて歌いたい方(男性曲を女性キーに、女性曲を男性キーに)

基本は無料で使えて、有料版ならギターやピアノの分離まで可能。7日間の無料体験もあるので、気軽に試せます。

昔は根性で音を聴き取るしかなかった耳コピが、AIに助けてもらえる時代になりました。楽器の演奏力を上げたり、歌い方を研究したり、一緒にセッションしたりと、より音楽を楽しむための方向に進化しているのがいいなと感じています。

Extrackの詳細・ダウンロードはヤマハの公式ページから。
Extrack|ヤマハ公式サイト

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