機材というと、音を良くするものや音を出すものに目が行きがちです。でも実際に制作を続けていると、作業が少し快適になるものや、大事な機材を守ってくれるものが地味に効いてきます。
今回は2026年の上半期に買って良かった録音まわりの機材を3つ紹介します。防湿庫のHOKUTO HS-41L、真空管マイクのWarm Audio WA-67、DIのRupert Neve Designs RNDI-M。どれも派手さはありませんが、本当に買ってよかったものばかりです。
HOKUTO HS-41L|マイクを湿気から守る防湿庫

1つ目は防湿庫(デシケーター)。機材をカビから守ってくれる保管庫です。もともとはカメラのレンズ用によく使われますが、私はマイクの保管用に使っています。
コンデンサーマイクは湿気にとても弱く、湿気を吸うとカビが出たり音質に影響が出ることがあります。日本は梅雨があり、夏は部屋の湿度がかなり上がるので対策が要ります。マイクの保管に適した湿度は40〜50%とされているので、その範囲に設定しています。
3段構成で、マイク置き場としても便利

- 2段目・3段目は引き出せるので出し入れが楽
- 一番下は据え置き。空きスペースにアコギの弦も入れています(錆び防止)
- つまみで湿度を調整できる
- 鍵も付けられる
かさばりがちなマイクの置き場所が決まるので、収納としても助かっています。
電気代は1日約1.2円、動作音はほぼ無音
常時電源を入れておくものなので電気代が気になりますが、メーカー公表値は1日あたり約1.2円(1kWh 22円・1日10時間動作で計算)。湿度が高く24時間動き続けた場合でも1日約2.5円とのことです。実際に使っていて電気代が上がった感覚はありません。
動作音もほぼしません。私は録音する場所から離して置いていますが、机の下に置いても問題ないレベルだと思います。
価格は2万円以下と手頃で、サイズのバリエーションも豊富。持っているマイクの本数に合わせてモデルを選べます。もっと早く買っておけばよかったと思ったくらいです。
Warm Audio WA-67|10万円前後で買える真空管マイク

2つ目は真空管マイクのWA-67。ノイマンのU67という名機の再現を狙って作られたマイクです。本家U67は100万円を超える機材ですが、Warm Audioが実売10万円前後でこのシリーズを出してくれています。
音の傾向|太さと艶、存在感を出したいときに
実際に使ってみて、特に歌に良いと感じています。声の太さや前に出てくる感じが出ますし、アコギを録っても空気感と豊かな倍音まで気持ちよく録れます。
キャラクターは強めです。ハイが抜ける現代的なサウンドというわけではないので、温かみや存在感を出したい場合に選ぶマイクだと思います。私の配信シングル「変わらないこと、変わること」も、このマイクでボーカルを録音しています。
注意点|専用電源と7ピンケーブルが必要

真空管マイクはコンデンサーマイクと違い、専用の電源ユニットと、普通のマイクケーブルではない7ピンの特殊なケーブルが必要です。どちらも購入時に付属しますが、セッティングの手間はかかります。
本体もずっしり重いので、置き場所を考える必要があります。先ほど紹介した防湿庫があると、ここでも便利です。
Rupert Neve Designs RNDI-M|ベースのライン録りに

3つ目はDIのRNDI-M。主にベースのライン録音に使っています。
DIは、ギターやベースの信号を録音に適した形に変換してくれる機材です。ベースをオーディオインターフェースに直接つなぐと、音がペラッとしたりノイズが気になったりすることがあります。間にDIを挟むことで、太くていい音で録れるようになります。
ひと回り大きいRNDIとの違い
RNDI-Mは小型のモデルで、その分価格が抑えられています。音の心臓部にあたる回路は大きいモデルと同じとのことで、私はこちらを選びました。
使ってみた印象
- ベースとの相性が抜群。音の芯が出て、低音がまとまりDAW上で扱いやすい
- エフェクターのように音ががっつり変わるものではなく、地味に質が上がるタイプ
- エレアコのライン録りにも使える
- アンプシミュレーターでギターを録る際の前段としても使用中
接続は、オーディオインターフェース(私はRMEのBabyface)からXLRケーブルでつないでファンタム電源を送るだけです。価格は3万円前後とDIとしては高めですが、ベース録音の質を上げたい方にはおすすめの1台です。
まとめ:地味だけど制作を底上げしてくれる3つ
今回紹介した3つを、それぞれどんな方におすすめできるかまとめます。
- HOKUTO HS-41L(防湿庫):マイクをたくさん持っている方に。湿度を気にしなくていい安心感と、マイク置き場としての便利さ
- Warm Audio WA-67(真空管マイク):セッティングの手間はあるが、狙ったサウンドで録りたい方に
- Rupert Neve Designs RNDI-M(DI):ベースのライン録りのクオリティを上げたい方に
どれも派手さはありませんが、制作を地味に便利にして、底上げしてくれている機材です。皆さんの「最近買ってよかったもの」もぜひ教えてください。
